Romance Dawn

藤井流星くんとジャニーズWESTについて

君の夢よ 叶えと願う

この日が来なければ良いなと思っていた。

時間が止まってしまえば

世界が終わってしまえば良いのにと思っていた。

 

 

 

2019年1月27日 17時

その時わたしは金浦空港のラウンジにいた。

ソファに座って搭乗を待っていたところ、友人や母親からLINEが何件も入った。

「嵐、活動休止するって!!!」

頭が真っ白になるとは、ああいう瞬間のことを言うんだと思う。

手指が震えて吐き気がわき起こってくる。

なんとか飛行機に乗り込み帰国したが、空港からのバスの中では涙が止まらなかった。

23時頃帰宅し、ワイドショーで5人の会見を見た。

ピリつく瞬間はあったが、終始ほっこりした内容の会見で、それがまた泣けた。

荷解きをしながら泣き続けて、友人と電話をしてまた泣いて、翌朝は泣き腫らした顔で出社した。

 

 

21年。

「すべてのジャニーズJr.にありがとう」から、随分と月日は流れてしまった。

昨今のジャニーズといえば、デビューすれば安泰という神話はもはや崩壊していて。

それはもちろん、当たり前のことで。

心境やライフステージの変化によって仕事を変えるのは至極普通のことだから。

21年間、5人で、逃げずに、ここまで嵐と向き合ってくれてありがとうと心から思う。

5人のまま嵐を畳んでくれること、本当に本当に感謝したい。

私たちの記憶に残る嵐は、ずっと5人の嵐。

奇跡みたいに幸福な事実。

 

 

2019年8月31日

おそらく最後となるであろうコンサートに行くことができた。

5人にお別れを言うつもりで京セラドームに行ったけど、行く前より好きになって帰ってきてしまって本末転倒だった。

翔くんが最後の挨拶で、「10周年の時も来てくれてた人いるかなあ。ありがとね」と呟いた。

2009年8月30日、大雨の国立競技場にいた自分に問いかけられた気がして、たくさん涙が溢れた。

翔くんは何万人という人数を相手にしながら、いつも「1人のあなた」に問いかけてくる。

翔くんの紡ぐ言葉がずっと好きだった。

コンサートは、最高のエンターテイメントを享受し嵐と心を通わせ対話する時間だった。

 

 

活動休止の発表後も嵐の勢いは止まらなかった。

各種プラットフォームにおけるSNS展開、楽曲配信。

最後の2年間、まだまだ新しい挑戦を続ける5人の姿勢に走り抜けるという覚悟が見えた。

どうか、どうかこの人たちの望む形で幕を下ろすことができますようにと願っていた。

 

 

2020年

世界は変わってしまった。

未曾有の事態に我々の生活は一変し、あらゆるエンターテインメントが一旦停止を余儀なくされた。

活動休止が決まっている嵐も例外ではなく。

4月に予定していた北京公演、5月に予定していた国立公演は中止となった。

嵐は一時紙芝居芸人と化した。

2020東京オリンピックの1年延期が決定した中、NHK五輪テーマソングのカイトは発売された。

 

 

無情だな、と思う。

長い間頑張ってきた人たちの最後を、望む形で迎えさせてあげられないなんて。

2年という期間を設けてさまざまな計画をしていただろうに。

エンターテインメントの世界が止まったまま時間だけが過ぎていく。

その中でも、できることをやらなければ。

立ち止まっているわけには行かない。

彼らには、私たちには、もう時間が無い。

 

 

このように活動を制限された環境下においても嵐の"誠実"は真っ直ぐ私たちに届けられた。

先の見えない中、手探りで、模索しながら、いつも私たちに最高のエンターテイメントを届けてくれた。

この2年間、嵐は悲しくなるくらい私たちに対して誠実だった。

あの記者会見でふざけたことを宣った記者は、この2年間の嵐をどう見ただろうか。

今となってはそんなことはどうでもいいが。

翔くんの言葉通り、有り余る誠意を私たちは5人から受け取ったのだ。

 

 

嵐、21年間ありがとうね。

私の青春時代にはいつも5人がいました。

嵐の歌に、笑顔に、救われた夜が幾つもありました。

恋とか、愛とか、そういう感情はとうの昔に置いてきたような気がしています。

今はただ、感謝と尊敬と慰労の気持ちだけ。

 

 

もう一度あの日に戻るとしても、きっと嵐を応援する人生を選ぶよ。

嵐を好きになって良かったと思えるような嵐で居続けてくれてありがとう。

嵐に出会えたことで人生の元は取れたので、あとはもう余生で良いです。

冗談じゃなくて、わりと本気で思ってるよ。

 

 

5人との思い出を大事に宝箱にしまって眠ろう。

嵐と同じ時代を生きて幸せだった。

寂しいけど、間違いなく寂しいけど、5人から貰ったものが数えきれないほどたくさんあるから。

だからたぶん大丈夫。

大丈夫じゃないけど、大丈夫。

 

 

どうか、どうか健やかに過ごしてください。

いつだって幸せでいてください。

今の望みはそれだけです。

 

 

明日の朝目が覚めたら、嵐がいない世界。